俳優・女優 2013年12月20日20時30分

北村一輝プロフェッショナル魂!「感情移入できるものだけ演じるのが俳優というわけではない」


北村一輝プロフェッショナル魂!「感情移入できるものだけ演じるのが俳優というわけではない」

映画「KILLS」の会見が開かれた

 女優・高梨臨(25)、俳優・北村一輝(44)が20日、都内で日本×インドネシア合作映画『KILLERS/キラーズ』(監督:モー・ブラザーズ/配給:日活)緊急来日記者会見に連名でモー・ブラザーズ監督を名乗っている、ティモ・ジャイヤント監督、キモ・スタンボエル監督とともに登場した。

 日本・東京で無機質な女を静かに殺害し、その様子を撮影して動画サイトにアップロードする男・野村(北村)は、金も地位も名誉もありながら狂気とも言える殺人行為を食事でもするかのごとく行うサイコキラーだった。一方、ジャカルタで腐敗した政治の不正を暴くため奔走するフリージャーナリスト・バユは、動画サイトにアップされた殺戮映像を観て戦慄すると同時に、その美しさに見入る。ある日、バユに危機が訪れ正当防衛的に殺人を犯してしまうが、その様子に興奮を覚えたバユは動画で撮影しアップロードしてしまう。それを観た野村は「仲間」と感じて、バユに接触を図っていくのだが…。

 会見場では約15分の先行映像が流され、その暴力的、流血のシーンというショッキングな場面の連続で、狂気が狂気に感染していく様が描かれ、報道陣も息を呑みながら見続けることに。ティモ監督はそんな本作の狙いについて、「バイオレンスがどう影響するのか、何かを感じてほしいと思っています。バイオレンスのスパイラスから逃げ出すことができないというのは、現実に生きる世界の中でも大きく関連性があるので、考えるきっかけになると思いました」という。

 そんななかで北村はオファーを受けたときのことを、「野村がどういう人間なんだろうと思って、この台本を読んだ時に、『まったく共感できなくてこれは何なんだ』と思いましたので、質問してみました。本作のようなジャンルは自分たちの技術が見せやすく、今の時代の日本では、そういうものが少なくて、遠ざかっているものがあると思うんです。でも、ほかの国ではど真ん中でやったりするんですね。それで監督が『自分たちアジアの国でもこういうことができるんだというのを世界に示したい』と言われたんです」と、監督の熱意が北村を動かしたという。

 野村という役について北村は、「一言で神だと言われました。野村という男は、どこか空想のような世界の中で殺すというよりは、人間の欲じゃないですけど、前に人がいるから殺してしまうという人間になってほしいといわれたのでそのように演じました」と、伝えられたときのことを。

 一方、高梨は、野村に目をつけられ会話をしていくうちに、次第に心を開いていく久恵という女性を演じ、「いわゆる普通の女性ですけど、弟のことや過去に悩みをひきずって生きています。その内には、強さを持っている女性だなと思います」と、説明。

 さらに、2012年カンヌ国際映画祭に正式出品された主演映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』以来の外国のクリエイターとの作品になり、「海外の監督だからどうというのはあまりなくて、日本の監督でも監督によって全然演出が違うので」と前置きしつつ、モー・ブラザーズが2人ということで、「2人というのでどんな感じだろうと思っていたんですけど、混乱することはなく、すごくやりやすい現場でした」と、実感を語った。

 そんな2人に、殺人動画がインターネットにアップロードされているという行為についてどう思うかと質問が寄せられると、北村は「あの実際に、そういうこともあるんでしょうけど、理解度ゼロに近いですかね、むしろマイナスというくらいで、まったく理解できません。人間としてあるまじき行為だと思っています。その言葉だけですね」と、キッパリ。

 そこまで思いがはっきりしているのに、なぜ野村役を演じたというのは、「理解できることだけ、感情移入できるものだけを演じるのが、俳優というわけでないと思っているからです」と、プロフェッショナルとしてからの観点だったそうで、「東京でもジャカルタでもいろんな人間の日常というのが、ちゃんと描かれたりしていて、どの目線で見るかというのは、こういう作品の中にこういう現実もあったりというのを、どう観てもらうかというのはあった。それでも、やっぱりこういう状態はダメでしょう。救いようがないと思っていますが、これが正義だというのを実践したつもりはありません」と、思いの丈を。

 高梨も「ダメですよね。私は動画を上げること事態興味ないです。でも、私自身はバイオレンス映画は好きなので、そういうシーンは嫌いなわけではない。ですが、現実でやっちゃダメだな思ってます」と、深々とうなずいていた。

 そんなショッキングな本作だが、出来上がった作品を観てみて、北村は「音のセンス、彼らのセンスを含め、ビックリしました。言葉を選ばずに言います…いや選んだほうがいいな(苦笑)ちょっとクレイジーなセンスを持っていると思います。監督の絵の力とそれを見せる力がすごいです」と圧倒されている様子を。

 そんな北村にティモ監督は、「キャスティングしてすぐにすごいと思いました。なんでも入り込んでいただける役者」と、絶賛で、キモ監督も「ユニークな個性を持っている方だなと。イメージがぶつかる場面もありましたが、だいたいが北村さんの持っているイメージの方が合っている場合が多くて、彼のキャラのアプローチから学ぶことが多かったです」と、明かしていた。

 本作は2014年2月1日よりテアトル新宿ほか+R18で全国公開!

高梨臨 海外クリエイター作品出演で「やりやすい現場」!バイオレンス映画好きも「やっちゃダメ」

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北村一輝

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高梨臨

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ティモ・ジャイヤント監督

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キモ・スタンボエル監督